1780年 自動巻時計「ペルペチュエル」の開発
アブラアン-ルイ・ブレゲ自身が「ペルペチュエル」と命名したこの時計は、懐中時計の使用者が歩いたり乗り物に乗ったりしている間にゼンマイが自動的に巻き上げられる機構を備えています。 巻き上げは軸を起点にして上下に揺れる分銅を通じて行われます。 現代の自動巻機構は、回転式のローターを採用しています。 |
1783年 ミニッツリピーター用のゴング・スプリングの発明
アブラアン-ルイ・ブレゲは、それまでにリピーターに用いられていたかさばるベルの代わりに、スティール製のワイヤ状ゴングをムーブメント外周にそって配置しました。 1783年から彼が開発したゴングによって、リピーター・ウォッチは格段に薄くなり、そのデザインに革命がもたらされました。 |
1789年 「ブレゲ・キー」で知られるラチェット・キーの発明
ブレゲの発明の中では目立たない存在ですが、クロックやウォッチのゼンマイを巻き上げるこのキーは、シャフトの部分にラチェットを用いています。 ゼンマイの巻き上げの際、常に正しい方向を維持し、快適に巻き上げ完了するように考案されました。 |
1790年 「パラシュート」(衝撃吸収装置付きの時計)の発明
現在のほとんどの時計に組み込まれている衝撃吸収装置はこの機構がベースになっています。 この機構はブレゲがデモンストレーションするために、貴族たちに招かれたサロンで故意に時計を床に叩きつけて、その効果を証明したという逸話が残るほど、衝撃的な発明でした。 |
1795年 「永久カレンダー」の開発
コンプリケーションと呼ばれる機構の一つである「永久カレンダー」は、ブレゲがフランス革命の難を逃れるためにスイスで潜伏していた期間に開発されたと伝えられています。 |
1795年 「ブレゲひげゼンマイ」の発明
従来のフラットな形状ではなく、ゼンマイの一端を持ち上げて外側から内側へ螺旋状にカーブする画期的なひげゼンマイを考案しました。 これにより、時計の精度は著しく向上し、パーツの消耗も軽減されるようになりました。 今日では「ブレゲひげゼンマイ」はあらゆる時計メーカーが採用しています。 |
1796年 「スースクリプション」の名で知られる一針時計
1本針、エナメル文字盤を特徴としたシンプルウォッチで、きわめて簡略化された特別設計のムーブメントが内蔵されていました。 広告を出し、注文を募るという方式で始められたこの時計は予約のみで販売され、購入者は価格の1/4を前金として支払うという販売方法が用いられました。 この時計は、信頼性と手頃な価格で人気を呼び、大成功を収めて約700個製造され新しい顧客獲得に成功したと言われています。 |
1798年 「コンスタンス・フォース・エスケープメント」(一定張力脱進機)の特許
ゼンマイによる主動力の伝達を規則的に行う機構で、非常に繊細かつ複雑なこの脱進機はごく少数の最高級時計にのみ使用されました。 |
1799年 「モントレ・ア・タクト」
スースクリプション・ウォッチのムーブメントを使用し、指で触れた感触で時刻を知る触針時計です。 時計をポケットから出して時刻を確認するという無粋な行動が避けられ、サロンでも上品にふるまうことができた「モントレ・ア・タクト」は貴族たちのあいだで大変人気となりました。 |
1801年 「トゥールビヨン」の発明
脱進機を可動式の籠の中に収め、この籠を一定の間隔、多くは1分ないし4分、6分周期で回転させる仕組みから成り立っていました。 この機構は、常に発生する重力による誤差を、籠の回転によってその都度補正される仕組みになっています。 |
1810年 世界最初の腕時計を開発
世界最初の腕時計は、ナポレオンの妹でナポリ王妃カロリーヌ・ミュラのためにブレゲによって作られました。 髪の毛とゴールドを撚り合わせて作られたブレスレットを備えたこの腕時計は、当時の社交界で大きな話題となりました。 |
1820年 「観測用クロノメーター」の発明
2つの独立秒針をボタンで別々にコントロールできる機構を組み込んだ画期的なムーブメントを搭載していました。 これこそ現代のクロノグラフの原型であり、最初のスプリットセコンド・クロノグラフです。 |